Categories: マーケティング

ほぼ日手帳がヒットする理由について考えてみました

今年も残すところあと2か月。

晴れていても肌寒く感じる日が多くなってきたり、街はクリスマスのデコレーションがはじまったりで、じわじわと年末の気配を感じます。

手帳のシーズンです

今日、来年の手帳を買いました。

長い間手帳を使う習慣がなかったんですが、3年ほど前に何かの本で「手帳によって思考がつくられ、人生が作られる」的な文章を読んで感化され、手帳を使い始めました。

使い始めてみると確かに単なるスケジュール管理以上の効果を感じて、手帳を手放せなくなりました。

僕が愛用しているのは「ほぼ日手帳」です。

ほぼ日手帳が気に入っています

「手帳といえば」と言われるくらい有名ですので説明することもないと思いますが、2002年の初代から今年で17年目で、しかも毎年発行部数が増えているという「すごい手帳」です。

https://www.1101.com/store/techo/

最も特徴的でなのは、「1日1ページ」という構成になっているところでしょうか。

僕もそこが気に入っています。

書き込めるスペースが多いのに、それほど厚みがなく、薄い紙なのに丈夫で破れないんです。

細かい文字を書くのが苦手なので、書き込むスペースが狭いと書ききれなかったり、ごちゃごちゃしてしまって後から読めなくなってしまうんですが、「1日1ページ」書き込むスペースがあると、余裕を持って使うことができます。

マーケティングがすごいほぼ日手帳

そんなこともあって使い始めてから今回で3回目の購入となったんですが、このほぼ日手帳、実力(機能・デザイン・コンテンツ)もすごいですが、売り方(マーケティング)もしっかり考えられていてすごいなー!と思ったので今日はどんなところがすごいかを考えてみたいと思います。

毎日使う商品だから使うとクセになる

「見開きで1ヶ月を見渡せないとイヤ」「1日毎に時間軸がついていないとダメ」「フリーエリアがないとムリ」など、手帳は使う人の好みや使い方によってこだわりが出やすい商品です。

100%条件に合う気に入ったものを見つけることは難しいですが、ある程度の条件をクリアすれば、多少気に入らないところがあっても他に選択肢がなくて仕方なく使い始めるしかありません。

でも手帳は毎日使うものなので、使っているうちに気に入らなかったところも気にならなくなってきたり、欲しかった機能も工夫して別のやり方で解決したりで、段々愛着が湧いてきます。

「毎日使う」というのがポイントですね。毎日使うことで、その手帳の特徴や使い方が刷り込まれていくんです。

そうすると他の手帳を見た時に「使いづらっ!」ってなるんです。

これってザイオンス効果に似てますよね。「単純接触を繰り返すと愛着や好感をもつようになる」っていう心理効果です。

マーケティング的に言えば、人間は見慣れたもの・聞き慣れたもの・触れ慣れたものに安心や信頼を感じるので、短時間でもいいので何度も接触することが大切です。

手帳の場合は商品の特性上、放っておいても単純接触を重ねるので、どんどん愛着が湧いて他の商品に目移りすることがなくなっていきます。

つまり手帳は、一度使ってもらえれば翌年も使ってもらえる可能性が高い商品です。

売り方の工夫でリピーターを更に増やす

でもこれは他の手帳にも同じことがいえますので、ほぼ日手帳だけがスゴイわけではありません。

ほぼ日手帳がスゴイのは、直接個人に販売するのをメインにしたことです。

ネットを通じて個人に直接販売するので、手帳を使ってくれている方の連絡先がわかるようになるんです。

そうすると、翌年新しい手帳を販売する季節に、発売開始のお知らせをすることができるようになります。

気に入っていただいている可能性の高いお客様にお知らせするのでまた買っていただけることが多いはずです。

使っていただいているお客様の連絡先を知らない場合は、新商品のお知らせをすることができないため、店頭でみつけてもらうか広告やメディアでの紹介を見てくれるのを祈るしかありません。

しかも、もう15年以上も販売を続けているほぼ日は、どれくらいの案内をどのタイミングで出せばどれくらいの反応があるか、毎年継続して使ってくれる人がどれくらいの割合か、などを計算していると思います。

つまり販売開始する前からどれくらいの人が買ってくれるか、がある程度わかっているということになります。

もちろん、毎年新しいデザインのカバーを発売したり、新しいスタイルの手帳を発売したりしていますので、年によってあたりハズレはあると思いますが、それでもある程度見込みがわかるビジネスなのではないでしょうか。

まとめ

本当はもっとあるんですが、長くなりましたので今日はこのへんでやめにします。

企画段階からたくさんの人の聞いて意見を反映させて生み出した商品だというだけのことはありますね。

「良いものをつくる」だけじゃなく「良いものを行き渡らせる」についてもよーく考えられた商品だと思います。

 

 

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